記憶にございません!
最終更新:2022/10/24
「記憶にございません!」と言えばかの有名なロッキード事件を思い出す世代は多いと思います。国会答弁で国際興業の社主「小佐野健二」の有名なセリフです。当然、三谷幸喜監督も世代的にこれを意識したキャッチーな映画タイトルにしたことは明らかだと思いました。総理大臣が主人公の政界コメディで中井貴一が扮する総理大臣(黒田啓介)の記憶喪失を周りの側近たちが隠すドタバタコメディーがストーリーです。キャスティングは豪華でディーン・フジオカ、石田ゆり子、小池栄子、吉田羊、木村佳乃、草刈正雄、佐藤浩市など三谷作品らしいいつもの顔ぶれです。支持率の低い総理大臣が記憶喪失となり一旦ただのオジサンになります。総理大臣の記憶がリフレッシュしてしがらみから開放されたピュアな総理大臣として復活します。その結果、総理大臣の支持率が見事にVの字の復活する内容です。総理大臣は国の最高機関で最高レベルの頭脳ある人物として描いています。記憶喪失になった総理大臣に群がる闇の部分はリアリティがあります。実際に総理大臣の周辺はこんなものかと納得させられます。石が頭に当たって記憶を無くす。フライパンで殴られて全てを思い出す。このチープなシナリオが三谷コメディの醍醐味だと思います。視聴者たちは「そんな事あるかい!」とならない三谷監督のパロディは流石だと思いました。現役の政治家にも「記憶にございません!」は多くいますよね。政治家になる前の初心や志を思い出して欲しいと思いました。