俺たちに明日はない
最終更新:2022/10/7
この映画は、世界恐慌時代の実在の銀行強盗であるボニーとクライドの出会いと逃走を描いた犯罪映画です。実話を映画化した作品は多くあります。しかし、この作品はアメリカン・ニューシネマの先駆的作品の1つとされています。アメリカン・ニューシネマとはセックスと暴力を表現することでこの映画は多くのタブーを破っています。この映画のエンディングは「映画史上最も血なまぐさい死のシーン」の象徴とされています。刑務所を出所したばかりのクライド・バロウと平凡な生活に退屈していたウェイトレスのボニーとクライドが車を盗んだところから始まります。町から町へと銀行強盗を繰り返します。最後は一斉射撃を浴びて絶命するストーリーです。ガソリンステーションの店員C・W・モス、クライドの兄バックと彼の妻ブランチが一行に加わり「ボニーとクライド強盗団」は「バロウズ・ギャング」として新聞で大々的に報道されるようになりました。貧しい銀行の客からは金を奪わないスタイルは世界恐慌時代の「ロビン・フッド」として持て囃されます。銀行強盗・列車強盗を繰り返したジェシー・ジェームズや無料食堂に運営資金を提供したアル・カポネも同じように「近代のロビン・フッド」と呼んでもよいでしょう。その後バックとブランチが逮捕されボニーとクライドはC・W・モスと逃走して身元が判明していないC・W・モスの父親アイヴァン・モスの農場を訪ねます。警察に拘留中のブランチがC・W・モスの本名を喋りました。アイヴァン・モスは我が子可愛さに警察と司法取引を交わします。買い物に出てきたボニーとクライドは待ち伏せしていたテキサス・レンジャーたちの一斉射撃を浴びて壮絶な死で終わります。この映画でアメリカン・ニューシネマを知ることになりました。