ディア・ハンター
最終更新:2022/10/5
ハリウッド映画では「ベトナム戦争」を描いた作品がありますが『ディア・ハンター』ほどインパクトがある作品はないと思います。この作品の最大の特徴は戦友たちが「ロシアン・ルーレット」を巡る攻防を繰り広げるからです。この映画で「ロシアン・ルーレット」が有名になったのではないでしょうか?正義なき「ベトナム戦争」で捕虜になったアメリカ兵の扱われ方をリアリティに描いています。アメリカ人捕虜を賭けの道具に扱うベトナム人のアメリカに対する憎しみを「ロシアン・ルーレット」を使って増幅させています。あたかも戦場で「ロシアン・ルーレット」が使われたかのように登場させることで『ディア・ハンター』の印象を決定づけています。主演はロバート・デ・ニーロで彼の代表作のひとつと言えるでしょう。「ベトナム戦争もの」=『ディア・ハンター』というイメージがあります。ロバート・デ・ニーロのファンですがこの作品はお薦めの一本です。戦友のマイケル(ロバート・デ・ニーロ)とニック(クリストファー・ウォーケン)の友情と生命を「ロシアン・ルーレット」を通じて表現した素晴らしい作品です。戦場という極限状況でアメリカ兵捕虜の精神や理性が崩壊させてしまう「ベトナム戦争」の残酷が強く心に残ります。戦争映画は戦闘シーンが見せ場であるのに対して戦友となったアメリカ兵同志の命を賭けた友情が大きなテーマとなっています。この映画に登場するベトナム人たちは果たして残酷な極悪人なのか?ベトナム人サイドから見るとアメリカ兵に対する憎悪も感じ取れます。