パルプフィクション
最終更新:2022/10/4
タランティーノの代表作と言えばやはりこの映画になると思います。タランティーノ映画を語るうえで外せないのが異様に多い無駄話。登場人物は常に何かどうでもいいことをくっちゃべっていて、しかもそれらは全体のストーリーと何の関係も無いことがほとんど。まぁそれが面白いのですが、本作でもそれが炸裂しています。 さらにこの無駄話に加えて、展開にも無駄なものが多いし、下らない。中盤のヴィンセントが、麻薬のやりすぎで昇天したミアを見て大慌てで売人のところへ行って助けを乞うシーンなどは本当に下らなく、最高に笑えるシーンです。ミアの蘇生シーンなんて完全にギャグですよ。 しかし、下らないのは表面的で、演出はかなり計算されていて、とてもいい。中盤のヴィンセントとミアが躍り出すシーンとかはその過程の描き方とかメチャクチャ良いし、序盤のサミュエル・L ・ジャクソンはえらい緊張感です。そういった演出をしておきながら、上述のギャグもやってしまう点にも本作の面白味を感じました。しかも最終的に因果応報の話になって、その輪廻から抜け出そうとする奴の話になる点も面白いですね。 下らない内容の本作ですが、映画の中の時系列はシャッフルされており、あっちにいったりこっちにいったりします。ここはタランティーノの遊び心だと思うのですが、これでいくつかの下らない話(パルプ・フィクション)を織り交ぜて映画を作っている感じが出ていると思います。今見ても色褪せない名作です。