スノーロワイヤル
いやーなかなかに面白かった! 息子を殺された父親の復讐劇が勘違いからマフィア同士の抗争に発展、犠牲者続出のカオスな展開を、時折シュールでクスリとくるような画を挟み込みながら描くシュールクライムアクション!(と少しのコメディ。あ、ブラックコメディか) 模範市民の賞を受賞したネルズ。表彰式の日、息子のカイルはマフィアに殺されてしまう。復讐を誓い、マフィアの構成員を執念と暴力、土地勘、そして犯罪小説で得た知識で血祭りにあげていく。次々起こる構成員の失踪にマフィアは敵対している先住民マフィアの仕業と勘違いしたところから、雪深い小さな町がカオスな抗争と復讐に染まっていく… 物語をざっくり3場面に分けるなら、最初はネルズの復讐編である。 ネルズの職業紹介、賞を受けるくらい真面目であることを紹介したら、その間に息子は死亡。余計なくだりもなくサクサクと進むのがよろしい(あえて、シュールな長い場面があるのは面白い) あっという間に殺した犯人の一人を見つけようものなら、殴る殴る!これぞ見たかったリーアムだ!というばかりに殴るリーアムの姿、いやただの除雪のヒトじゃないでしょー!と思いつつ、土地勘と犯人小説の知識で素晴らしい死体処理を決め、一人また一人と血祭りにあげていく様はやはりリーアムアクションらしくて良い。(もちろん闇のスキル笑なんてないから疲れてたりするわけだが、それでもこれ一般市民のスキルか?笑) で、第2幕として主題となるのが復讐劇の影響を受けた人々の勘違いと混乱、そしてまた新たな復讐の呼び水となるシークエンスだ。 健康オタクなマフィアと学校に行きたくない息子、その部下たちも無駄に良いキャラしてたり笑とシリアスな展開もシュールな場面と個性的なキャラクターたちが彩ってくれる。 部下たちが次々失踪するなかで、マフィアのボスバイキングは敵対しているネイティブアメリカンマフィアの仕業と勘違い。彼らの一人を殺すがそれがまた新たな復讐を呼び、警察も巻き込んでいく(警官約一名は少しワクワクしている) もちろんネルズ側も描かれ、彼の兄が登場。ここでネルズとマフィアのちょっとした関係が描かれ、それがまたもや勘違いを呼ぶことに… ここからはよりネタバレ注意としておきますか↓ 兄からのアドバイスで雇った殺し屋(アイツなんなの?笑)のチクリのおかげで、兄が犠牲になるわけだが、そこでの兄貴の立ち振舞いが今作での名場面であろう(弟のために…カッケェ~) そして第三幕、彼らが一同に集まりクライマックスの銃撃戦から、シュールすぎるラストカットへと続く… ネイティブアメリカンマフィアがホテルに泊まりにくる時の妙な物々しさ、ゲレンデで遊んでしまってる彼らなどのシュールで笑える場面と民芸品が"メイドインチャイナ"なことに切なさを覚えるカットなど色んな場面があるのがこれまた面白いのも特徴か フライトした彼が…まさかねぇ笑 誘拐したマフィアの息子との微笑ましいひととき、きっとこの表情こそネルズ本来の顔なんだと思わせる(いささか切なさもあるような)カットも挟みながら、最終決戦はマフィアの両陣営とネルズを巻き込みながらの銃撃戦に始まり、ついに怒りの除雪車が大暴れ!とまではいかないものの、魅せてくれます。 そして、ラストカットはシュールすぎます。笑 復讐劇から勘違いからマフィア同士の抗争にまで発展するというカオスな展開とシュールな場面にどこか笑えてしまう、そしてやっぱりリーアムのアクションは良いなぁ(今回そこまでアクションしてるわけではないけどさ)と思えた作品。 セリフや名前に、どこか96時間を感じたり…笑(こういうのをセルフパロディ?セルフオマージュとでもいうのですかね?)