IT/イット
最終更新:2022/10/23
ITは、ホラー作家の頂点と称されるスティーヴン・キング氏によって執筆された小説が原作となっています。”それ”はある日突然現れる。図書館、バスルーム、ドアの向こうや排水溝…あらゆるところから町の子供たちを恐怖のどん底へといざなっていきます。ある大雨の日、兄である主人公、ビルの弟が”それ”に襲われ、消息を絶ってから映画はスタートします。この映画を観て、”それ”は、子供の抱える「恐怖」という感情にとても敏感であると思いました。”それ”が姿を見せるのは、暗闇や過去に登場人物が暗い感情を抱えることになった場所などで、その子供の一番のトラウマや恐怖心をえぐるような姿やタイミングで現れます。舞台となる町では、子供の失踪事件が次々と起こっていました。ビルは失踪した弟が、排水溝付近で消息を絶ったことから、流されて下水道の最終地点にいるのではないかと推理し、仲間とともに手がかりを探し始めますが、そこで行方不明になっている他の子どもの手がかりを発見します。仲間たちが抱える家庭環境も複雑でした。父親からの性的暴力に悩む女の子や、過保護にされている男の子、人種差別によるいじめを受けている男の子など、様々な問題を抱えていて、”それ”が「恐怖」という感情に漬け込みやすくなっていたのではないかと思いました。度々主人公たちの目の前に現れる”それ”に、彼らは”それ”の討伐を計画します。”それ”を倒すために襲い掛かる恐怖を乗り越え、皆で協力して「恐怖」そのものに立ち向かう姿は画面の向こうで観ている自分にも勇気を与えてくれました。