ラストエンペラー
最終更新:2022/10/20
『ラストエンペラー』は中国を舞台にした壮大なスケールの映画です。デートで鑑賞した思い出深い映画の一つです。バブル期だったころはトム・クルーズ全盛期で中国の歴史映画は地味な印象がありました。歴史好きは清の最後の皇帝「溥儀」の知識はありますが即位の様子には興味がありました。中華帝国の皇帝即位のシーンは圧巻でした。実際の紫禁城を舞台として玉座にひれ伏すエキストラの人数は想像を超えました。幼い皇帝でも「皇帝は皇帝」として威厳があったことに圧倒されます。中華4000年の歴史が近代まで実在していたこと改めて実感しました。満州傀儡国家の皇帝として復活したことは幸せではなかったと感じます。溥儀の歴史に翻弄される人生は映画の素材として「これがあったのか」と思わせられました。第60回アカデミー賞作品賞[並びに第45回ゴールデン・グローブ賞 ドラマ部門作品賞受賞作品の受賞には納得できます。『ラストエンペラー』と言えばベルナルド・ベルトルッチ監督とジョン・ローンのタッグは一生忘れないでしょう。また、日本人として誇れることは坂本龍一が甘粕正彦役で出演していたことです。日本のトップミュージシャン坂本龍一がBGMも担当しています。「ラストエンペラーのテーマ」は今でもCMなどで使われる名曲でしょう。もう一つの注目点は日本の敗戦後、つまり満州国崩壊後の溥儀はどうなったのか?ここの描写は歴史マニアにとって興味深いものがあります。ソ連に連行され一介の庭師になったことは知らなかった事実です。博物館として一般公開されている紫禁城の前で溥儀の「昔ここに住んでいた」というラストのセリフに胸を打たれました。