ミシシッピー・バーニング
最終更新:2022/11/5
「ミシシッピー・バーニング」の評価は二分されています。ミシシッピー州で起きた黒人差別に絡んだ公民権運動家失踪事件からこの映画は作られています。ウィレム・デフォーとジーン・ハックマンの好演、白人至上主義 KKK(クー・クラックス・クラン)の存在を浮き彫りにした点は評価できます。アメリカ南部のKKKによる黒人リンチや焼き払いが横行する暴力がリアルに描かれています。この映画で今でも黒人差別を知ることができます。現在進行形のアメリカの恥部、KKKの恐ろしさの描写がリアリティを増しています。反対に白人に黒人を差別する教育が存在しているのか疑問があります。また、これほどFBIが正義のために活躍したとは思えない脚本もあります。果たして日本に差別は存在しないのか?アメリカだから対岸の火事では済まされないでしょう。この映画は1988年公開でトム・クルーズが大活躍するバブル期の作品です。その時期の社会派映画であるから日本人は見逃しがちです。日本の若者たちが海外に留学する時代、欧米諸国の人権意識は強いことを知るべきです。黒人差別の問題をエンターテイメント化していることを批判している事実もあります。しかし、ジーン・ハックマンが好演することでB級映画の感じがしない素晴らしい作品だと思っています。交際情勢が不安定な時代、基本的人権の大切さを今こそ考える必要があるのではないのでしょうか?独裁者を誕生させない民主主義は身の回りの差別感情に気づくことから始まるのではと思います。