レオンの悪役が飲んでいる薬は?
映画レオンの悪役ノーマン・スタンスフィールド(ゲイリーオールドマン)は劇中で何度も薬を飲む。喉のあたりでピルをキューっと粉砕して飲み込むという演出がたまらない。ノーマン・スタンスフィールドが飲んでいる緑と黄色のカプセルは、ベンゾジアゼピン系の鎮静・催眠薬であるリブリアムで、不安や不眠、アルコールや薬物の乱用による禁断症状の治療に使われる。レオンはあらゆる性質がちぐはぐに設定してある。レオンは大人だが子供の心、マチルダは子供だが大人の心、そしてスタンフィールドは検察なのに不正義に設定されている。
ゲイリーオールドマン懐かしい。ジャンレノは歳をとってもあんまり変わらないよね。あとマチルダ、ナタリーポートマンはアミダラ女王を演じるなどしてこっから一気に大女優になった。レオンが素晴らしいのはそうした大物俳優大物女優を大抜擢してハリウッド界隈に新しい風を吹き込んだという功績でもある。この作品を見たとき私は小学生だったがませていた小学生だったのでレオンの孤独が少しわかった。この映画は単純な殺し屋の映画に見えて、実は各所にトリックが混ぜてある。例えばマチルダが最初にレオンの部屋に入る時不自然なほどマチルダの顔面に光が当たる。レオンはドア側に立っているはずなので本来なら窓から入る光はレオンに遮られてしまいマチルダの顔に当たることはない。しかしあえてマチルダに光をあてることで命からがら逃げたマチルドの未来が開けたという演出効果を狙っている。さらにマチルダが一人敵陣に殴り込みに行き返り討ちにあったところをレオンが救出するというシーン。このシーンではマチルダがレオンに飛びつくわけだが飛びついた瞬間にカメラは足を移す。当然マチルダの足は上がっている。これはマチルダとレオンの身長差を表すと共に、心は子供だが体は大人であるレオンと、心は大人だか体が子供であるマチルダの複雑な対比を表す演出効果である。こうした隅々まで気を利かせた演出効果により見ているものの心理はストーリーライン以上に揺さぶられる。間違いなく不朽の名作と言っていいだろう。