裏窓
1954年に公開された巨匠ヒッチコックのサスペンス作品です。ジェームズ・スチュアート演じる主人公のジェフは足を怪我したために車いすでの生活を余儀なくされていました。ある日ジェフは自分の部屋の窓から向かいの住人たちの生活を覗く楽しみを見つけます。カメラマンであるジェフにとって住人たちの生活は良い被写体となったのです。しかしある日ある住人の不自然な行動を発見します。ある夫婦が喧嘩をし、その夜夫が夜中にスーツケースを持って出かけたのです。その日から妻の姿を見ることがなくなり、ジェフは恋人のグレース・ケリー演じるリザと家政婦にこの夫婦の部屋を探ってもらうよう頼みます。この時点でジェフは殺人事件だと思っていましたが、恋人含め周囲は信じていませんでした。しかしジェフ、リザ、家政婦は捜査を進めていくうちに遂に真実にたどり着きます…。この映画の面白いところは怪我をしたジェフが常に自分の部屋の窓からカメラを使って向かいの住人達を面白おかしく眺めているときに殺人事件を発見するところです。ジェフの移動は常に部屋の中のみです。そこで恋人リザと家政婦を頼りに解決していく。この展開はさすがヒッチコックといいますか、他の映画では観たことがなく、観ている側はずっとジェフ目線なので動きがないのにとてもハラハラします。またその他大きな見どころは恋人役のグレース・ケリーと家政婦役のセルマ・リッターです。グレース・ケリーは最初の登場シーンから美しさを隠し切れません。とにかくその表情、立ち振る舞いに釘付けになります。この美しさはカラーで観ていただきたいです。そしてもう1人の重要人物、家政婦役セルマ・リッターです。脇役が多女優さんですが表情の動きや言葉の強さなど、とても印象に残る女優さんです。最後にヒッチコック映画といえば、ヒッチコック自身がどこかに出演しているのを探すのが楽しみの一つです。この映画でもあるシーンにあれ?と思うほど一瞬ですが出演しています。ぜひヒッチコック探しも楽しみながら映画を観てみてください。