花束みたいな恋をした
最終更新:2022/10/19
恋愛映画でよくある、物語が進むにつれ、どちらかが大きな病気をしたりケガをしたり、恋のライバルが絶対にいて三角関係みたいな安っぽいチャッチーな展開はこの映画にはない。観る人を感動させようとか泣かせようとか、そんな作られた嘘くさいドラマみたいな恋愛映画ではない。本当にリアルな現実的な恋愛を映した映画だなと感じた。2人の男女のリアリティのある青春時代の日記を見ている感じ。大きな何かがあるわけではないけれど、若いころの恋愛ってこうだったなあ、年を重ねるにつれて恋愛にドキドキよりも安心・安定を求めるようになって、お互いのこれからの未来予想図が合わなくなって少しずつすれ違ってくる。リアルな人生での恋愛はこうだな、と自然にすーっと内容が入ってくるような映画であった。主人公の女の子も平凡でとってもいい。どこにでも居そうな、普通の女の子。男の子もよくいる、普通の男の子。この、普通の2人が織りなす恋愛物語だからこそ、作られた物語には感じなくて自分を女の子に置き換え感情移入が自然と出来た。物語の最初は順調に楽しく順調に過ぎてゆく。キラキラした若い二人の恋愛。同棲をし、幸せな2人だったはずが就職活動やこれからの人生への考え方の違いから徐々にすれ違い結果的には別れてしまう。映画の冒頭で2人が別れてしまうことは分かってはいたのに、実際に2人の別れの日が来た時にはズキンと心が切なくなった。人の恋愛を覗いているようである意味ドキドキできるような素敵な映画だった。