ペネロピ
「異色」の映画。この言葉がしっくりくるストーリーです。昔々魔女によって呪いをかけられた一族。その呪いとは「女の子が生まれるとその子は豚の鼻と耳をもつ」ことになるというもの。そして後世に生まれた主人公ペネロピ。本当に豚の鼻と耳があることから親はペネロピを恥じて隠し続けます。自分を恥じる親に対しての悲しみを主人公演じるクリスティーナ・リッチの声、表情から心に刺さります。この映画、親が子供を恥じる気持ちによってペネロピが本当に自分は恥ずべき人間なのか。この疑問からペネロピの気持ちが動き答えを見つけるところが観ていて気持ちいいです。ペネロピを偏見なく受け入れる仲間たちに助けられながら、ペネロピは自分というものを見つけていきます。「豚の鼻と耳を持つ女の子」というと「異色なストーリー」ですが、実際のこの映画は偏見に負けず自分を見つけ幸せをつかむストーリーです。その他見どころの1つがペネロピの相手役演じるジェームズ・マカヴォイです。最近ではワイルド系やカメレオン俳優となりつつある彼ですが、この映画ではとってもかっこいい、王道の王子様的な役を演じています。おそらく他の映画ではもう見られないのではないかと思ってしまうほどのかっこよさです。そしてもう1つの見どころが映画全体の色彩の豊かさとシーンに合った音楽です。ペネロピの洋服、部屋の模様などはとても奇抜です。でもその奇抜さには不快な色合いは全くなく、ペネロピに合った、ペネロピだからこそ着れる色合いの洋服であり部屋の飾りといえます。この奇抜さは女の子ならば一度は着てみたい、部屋をこんな風に飾りたいと憧れるのではないでしょうか。最後に音楽。映画の最後の最後に流れるSigur Rósの曲がペネロピの成長と幸せを表現しています。最後まで是非見て頂きたい映画です。