ザ・フライ
最終更新:2022/10/14
『ザ・フライ』は1986年のアメリカ映画で時代的に地味な作品だと思います。『ザ・フライ』は1986年のアメリカ映画で「シルベスター・スターローン」「アーノルド・シュワルツェネッガー」「トム・クルーズ」と綺羅星の如く大スターが大活躍していた時代です。その中で1958年に公開されたホラー映画『ハエ男の恐怖』のリメイク作品で「知る人ぞ知る」映画ではないでしょうか。つまり俳優たちも地味でセス・ブランドル(ジェフ・ゴールドブラム)とヴェロニカ・クエイフ(ジーナ・デイヴィス)が中心のストーリーで脇役俳優がほとんど登場しない廉価な「B級作品」と言えるではないでしょうか。天才科学者のセスが転送装置「テレポッド」を発明して自分自身を転送することことに未来の発明品の要素があります。誰もが考えたことがある「瞬間移動」を主題とした点はSF映画とも言えるのではないでしょうか。セスの転送装置の中に蠅が紛れ込みます。遺伝子レベルでセスと蠅が融合した「ハエ人間ブランドルフライ」が誕生するストーリーは素晴らしい発想だと思います。1980年代当時に遺伝子を扱う先進的な映画だと思っています。ハリウッド映画の醍醐味はハッピーエンドが主流ですがこの映画は蠅人間が殺される悲劇的なバッドエンドです。過去のリメイクではありますが「蠅人間フライ」が人間から蠅へと変貌する特撮は見ごたえがあります。セスが徐々に蠅の特徴が現れるシーン「蠅人間フライ」が誕生する点にホラー映画の要素があります。そこにセスの理解者のヴェロニカとの恋愛が絡まります。単なるホラー映画でなく蠅人間セスとヴェロニカの愛情は感慨深い物があります。